2023年5月30日(火)

4時起床。昨日は早く寝たので早く起きてましう、小便をして寝直す。
5時過ぎ起床。弁当あり。
電車内でドストエフスキー罪と罰(上)』を読む。途中で寝る。ちゃんとに寝たはずなのに眠い。
ベイサイド・ステーション駅で降りる。
髪を切ったので職人たちから反応がある。
ラジオ体操なし。雨なので、各々体操をする。
労働。朝から管理側がグダグダでIさんがキレる。最近、毎朝の恒例である。ヘラヘラしてコチラ側の要求を全く聞き入れず、ソチラ側の要求ばかり押し付けてくる管理。「僕たちは機械じゃない!人間だよ」とIさんが言う。私は下っ端なので、労働機械なので、とマゾ的感傷に浸かって、キレる立場も筋合いもない、というか明日で辞める。
町田康が好きなAさんも「あぁ、イライラしてきた…!」とキレる。怒りと呆れが伝播する。
私の引継ぎ、KくんとSさんに下っ端の動き方を教える。水を汲む場所、ゴミを捨てる場所、ネタ場、材料置き場、休憩場所、その他諸々。
朝からグダグダしたせいで、午前中に肝心要のネタ練りができなくなった。口頭だけの説明では「心配」である、なんて、情を抱いてしまう。
今日は、私の送別会が開かれる。
労働終わり。17時くらい。
Nさんの車に乗って送別会場、浦安駅近くの中華屋へと向かう。この一週間は皆が惜別の言葉を投げかけてくる。
隣にはIさん、左前にはSさん、前にはAさん、というテーブル。右隣のテーブルには、Oさん、Nさん、Kさん、Anさん。
生ビールで乾杯、NさんとKさんは酒を飲まず、コーラで乾杯である。後から、SgさんとYさんとOeさんも来るだろう。
餃子が美味い。炒飯も美味い。酒や生温い言葉で気持ちがほぐれて、こんなんじゃいけない、なんて考えられないほどに。私の人生に温かいことが起こってはいけない。そんなものは作品のネタにはならない。全てにトゲトゲしくなければならない。誰とも親しくしない。温かい出来事があってもその裏を無理矢理見つけ出して、卑屈になって、世界を敵に回して、そんな風に生きていかないと、生きていかないと、
酔った。父親譲りの酒の弱さである。
Aさんが「創太はキャラがいいんだよ。どこに行ってもうまくやれる。寂しいなぁ。創太はいるだけでいいんだよ。」
Sさんが「最初はなんだコイツって思ったけど…結果助かったよ。」
Iさんが「初めの方は興味ないって顔してたもんな。だから俺が『辞めるなら早いこと辞めたほうがいいよ』と言った。けど辞めなかった。」
早く辞めようと思って打診した結果、今になったのである、がそんなことは言わない。
「Oeさんに2日連続で怒鳴られた時は、流石に辞めようと思いましたよ」
「何で怒鳴られたの?」
「カチオンって何ですか?て聞いたら『舐めてんのか!』って。」
一同笑う。
「それは不条理だわ。辞めてもしょうがない。Oeくんはそういうとこあるね。」
「あとは、Oeさんと掃除や片付けをしていたんですけど、自分が物を置いた場所が丁度Oeさんが物を置きたかった場所だったみたいで、置いた物をガッシャーンて地面に叩きつけて『舐めてんのか!』って。」
一同笑う。
外に出て煙草を吸う。YさんとAnさんと。
Anさんが「小寺さんからオススメされた小説買いました…!」と言う。若い女だからと、テキトーに最悪な理由でオススメした宇佐見りん「推し、燃ゆ」を買ったのだという。「読んだら感想言おうと思っていたらいなくなっちゃって…残念です。」「明日までに徹夜で読んできてください」と軽い冗談を放つ。LINEを交換する。「読んだら感想伝えますね。」本当に言ってくるだろうか。
餃子を食べる。LINEを交換する。炒飯を食べる。LINEを交換する。グレープフルーツサワー。煙草を吸う。グレープフルーツサワー。水を飲む。煙草を吸う。水を飲む。LINEを交換する。ゴマ団子を食う。水を飲む。水を飲む。水を飲む。水を飲む。水を飲む。
「そろそろ行きます」
浦安のビジネスホテルに泊まる。部屋に入ってVODのアダルトをつけて全裸になって鏡に映った勃起したちんこと身体を見る。この仕事をして明らかに筋肉がついた。Tシャツを腕が通りにくくなった。小指はばね指になった。
精が抜けて、でも酔いは残っていて、でも歯は磨いて、風呂は明日の朝でいいや、と、アラームを6時に設定して、寝る。